Favorite songs of mine from Ireland, Scotland, … and Japan

気がついたらアイルランドとスコットランドの曲にはまっていた日本人が気が向いたときに歌詞と訳を載せています

TITLE: On Raglan Road(オン・ラグラン・ロード)
AUTHOR: Patrick Kavanagh(パトリック・カヴァナー)
PERFORMER: Luke Kelly(ルーク・ケリー)


1946年に発表された、アイルランドの詩人パトリック・カヴァナー(Patrick Kavanagh: 1904-1967)の「ダーク・ヘアード・ミリアム・ラン・アウェイ(Dark Haired Miriam Ran Away)」に、17世紀の曲をのせてルーク・ケリー(Luke Kelly: 1940-1984)が歌う「オン・ラグラン・ロード(On Raglan Road)」です。

詩人はある女性に思いを寄せたのですが、片思いだったようです。

途中、”The Queen of Hearts still making tarts”という箇所があります。これは日本でもおなじみのルイス・キャロル「不思議の国のアリス(Alice’s Adventures in Wonderland)」がもとになっているのでしょうか。

The Queen of Hearts,
She made some tarts,
All on a summer day

「ハートのクイーン、タルトを焼いた、夏の日のこと」とあります。

それに続く、”And I not making hay”で思いつくのは、”Make hay while the sun shines.(太陽が照っているうちに干し草を積め)”という諺です。

この曲がコリン・ファレル(Colin Farrell: 1976-)主演の映画に使われました。2008年に公開された「イン・ブルージュ(In Bruges)」という題名の映画なのですが、日本における題名は『ヒットマンズ・レクイエム』です。ブレンダン・グリーソン(Brendan Gleeson: 1955-)演じるケンが身を投じる際に流れてきます。

シャーロック・ホームズに使われた「ロッキー・ロード・トゥー・ダブリン」同様、アイルランド人ではないのになぜか嬉しくなってしまうのは何故だか不明です。


Raglan Road: ラグラン・ロード、アイルランドの首都ダブリンにある通りの名
Grafton Street: グラフトン・ストリート、同じくダブリンにある通りの名
the Queen of Hearts: ザ・クイーン・オブ・ハーツ、ハートのクイーン


On Raglan Road of an autumn day
I saw her first and knew
That her dark hair would weave a snare
That I might one day rue

I saw the danger and I passed
Along the enchanted way
And I said let grief be a fallen leaf
At the dawning of the day

On Grafton Street in November
We tripped lightly along the ledge
Of a deep ravine where can be seen
The worth of passion’s pledge

The Queen of Hearts still making tarts
And I not making hay
Oh I loved too much and by such by such
Is happiness thrown away

I gave her gifts of the mind
I gave her the secret signs that’s known
To the artists who have known the true
Gods of sound and stone

And words and tint without stint
I gave her poems to say
With her own name there and her own dark hair
Like clouds over fields of May

On a quiet street where old ghosts meet
I see her walking now
Away from me so hurriedly
My reason must allow

That I had loved not as I should
A creature made of clay
When the angel woos the clay he’ll lose
His wings at the dawn of day


秋の日のラグラン通り
ひと目姿を見て気づく
黒髪で編まれた罠に
後悔するはいつの日か

危険を承知で通り行く
魅了通りを行き過ぎる
苦悩は落ち葉になってしまえ
日が昇り出るその前に

11月のグラフトン通り
足取り軽く岩場を歩く
底深き谷に見ゆるは
心から湧き出る誠の誓い

タルトを作るハートのクイーン
干し草積まぬ我がいる
行き過ぎた愛か、それ故か
幸せは捨て去られるのか

心を込めた一度ならずの贈り物
そして贈った秘密の合図
鍵持つ匠は知っている
音と石を支配する真の神々

惜しげもなく贈った淡いことば
そして贈った詩の数々
名前を刻み黒髪を添え
野原を見渡す五月の雲か

音なき通りに行き交う幽霊
ああ、目に入るのは歩く姿
急ぎ足の後姿は小さくなる
我に返ると悔やまれる

なぜ粘土細工を愛するように
愛することができなかったのか
天使が人形に愛をささやくと
羽はなくなり夜が明ける


◆ ルーク・ケリー

◆ シネイド・オコナー

◆ Odoro Matilda & Tessin Kaneko(踊ろうマチルダ&金子鉄心)


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