TITLE: Darby O’Leary(ダービー・オリアリー)
AUTHOR:
PERFORMER: The Dubliners(ザ・ダブリナーズ)
『ザ・ガルバリー・ファーマー』としても知られている『ダービー・オリアリー』、とにかくアイルランドの地名がたくさん出てきます。ところが、ダブリンとかゴールウェイのような有名な場所は全く登場せず、そのほとんどが村です。
現地の人も知っているのだろうか、と疑いたくなるような場所のオンパレードです。ましてや、日本人に分かるはずもありません。自ずと調べ方も力が抜けていきます。
調べて出てこないと、本当にこんな地名が存在するのか、と疑心暗鬼になってしまいます。同時に頭に浮かぶスペルミスは棚に上げておきます。
the County Tipperary: ザ・カウンティー・ティペラリー、アイルランド共和国の内陸部のティペラリー州
Galbally: ガルバリー、アイルランド共和国のリムリック州にある村
Michaelmas: ミカルマス、聖ミカエルを祭る儀式、あるいはその時期
St. Pat: セイント・パット、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリック、国の中からヘビというヘビを駆逐して現在アイルランドにはヘビ一匹いないと言われている
Kilconnel: キルコネル、アイルランド共和国ゴールウェイ州の東部にある村
Killmore: キルモア、北アイルランドのアーマー州にある村
Knockainey: ノッカニー、アイルランド共和国のリムリック州にある村
Shamballymore: シャンバラモア、アイルランド共和国のコーク州にある村
Pallas Nicker: パラサニッカー、アイルランド共和国のリムリック州にPallasgreenはあるが、どこか不明
Sologheadmore: ソラヘドモア、アイルランド国内の教区であるところまでは分かったが、何州にあるのかは不明
the Rag: ザ・ラグ、不明
Rosegreen: ロスグリーン、アイルランド共和国のティペラリー州にある村
Kilfeacle: キルフェークル、アイルランド共和国のリムリック州にある村
the Bridge of Aleen: ザ・ブリッジ・オブ・アリーン、スコットランドに似たような地名はあるが、そこを指すのかは不明
One evening of late as I happened to stray
To the County Tipperary I straight took my way
To dig the potatoes and work by the day
For a farmer called Darby O’Leary.
I asked him how far we were bound for to go
The night being dark and the cold wind did blow
I was hungry and tired and my spirits were low
For I got neither whiskey nor water
The dirty old miser he mounted his steed
To the Galbally mountains he rode in great speed
I followed behind ‘til my poor feet did bleed
When we stopped when his old horse was weary
When we came to his cottage I entered it first
It seemed like a kennel or a ruined old church
Says I to myself I am left in the lurch
In the house of old Darby O’Leary
I well recollect it was Michaelmas night
To a hearty good supper he did me invite
A cup of sour milk that was more green than white
And it gave me the trotting disorder
The wet old potatoes would poison the cats
And the barn where my bed was swarming with rats
The fleas would have frightened the fearless St. Pat
Who banished the snakes o’er the border
He worked me by day and he worked me by night
While he held an old candle to give me some light
I wished his potatoes would die of the blight
Or himself would go off with the fairies
‘Twas on this old miser I looked with a frown
When the straw was brought in for to make my shakedown
And I wished I had never seen him nor his town
Nor the sky over Darby O’Leary
I’ve worked in Kilconnel, I’ve worked in Killmore
I worked in Knockainey and Shanballymore
In Pallas Nicker and Sologheadmore
With farmers so decent and cheery
I’ve worked in Tipperary, the Rag and Rosegreen
At the mount of Kilfeacle, the Bridge of Aleen
But such woeful starvation I never yet seen
As I got from old Darby O’Leary
この前日暮れ時ティペラリーに
まっすぐ向かっていた
ダービー・オリアリーっていう農家で
日雇いのジャガイモ掘りの仕事だった
この後どれくらい歩くのかきいた
辺りも暗くなって吹く風も寒くなって
空腹と疲労でやる気もなくなった
ウイスキーも水も飲めやしない
汚ねえ野郎は馬にまたがり
結構なスピードでガルバリー山に向かう
後から追っかけ惨めなことに足からは血が出て
老いぼれ馬が疲れたときだけ休憩だと
犬小屋か崩れかけの教会みたいな
ところに着くと先に入れって言われて
ここで置き去りにされるのかと愚痴もでる
ダービー・オリアリーのぼろぼろの家
たしかミカールマスの夜だったと思うけど
心のこもったおいしい夕食に誘われた
白というより緑がかった牛乳を飲んで
立ってることもできないぐらい腹を下した
猫なら殺せる湿気った毒の古いジャガイモに
納屋の寝床にゃネズミがウヨウヨ
ヘビを残らず蹴散らした恐れ知らずの
パトリック様もこのノミならおののくほど
昼となく夜となく働かされて
灯り代わりにもってきたのは古いろうそく
ジャガイモも全部枯れてしまえ
あの野郎も妖精に連れ去られてしまえ
寝床を作るのに藁を持ってきたときは
眉間にしわであいつを睨んでやった
ダービー・オリアリーに会ったがために
この町もこの空も見るのも嫌になる
キルコネルでもキルモアでも
ノッカニーでもシャンバリモアでも
パラサニカーでもソラヘドモアでも働いたけど
みんな元気でいい人だった
ティペラリーでもラグでもロス・グリーンでも
キルフェークルの山でもアリーンの橋でも働いたけど
ダービー・オリアリーのじじいほど
ひどい飢餓を味わったことはない
◆ ザ・ダブリナーズ(キアラン・バーク)
コメントを残す