Favorite songs of mine from Ireland, Scotland, … and Japan

気がついたらアイルランドとスコットランドの曲にはまっていた日本人が気が向いたときに歌詞と訳を載せています

TITLE: The Irish Rover(ジ・アイリッシュ・ローバー)
AUTHOR:
PERFORMER: The Dubliners / The Pogues(ザ・ダブリナーズ/ザ・ポーグス)


ありえない船のお話です。何と言ってもマストが27本も立っている船ですから、長さはどれぐらいになるのでしょうか。タンカーも顔負けかもしれません。

それにしても、この動画を見て感動してしまいました。ボーカルはザ・ダブリナーズ(The Dubliners)のロニー・ドリュー(Ronnie Drew: 1934-2008)とザ・ポーグス(The Pogues)のシェーン・マガウワン(Shane MacGowan: 1957-2023)なのですが、若手のシェーンが間奏時にコップを足元に置くのです。

その置き方の何と丁寧なこと。間違いなく絶対にいい人です。多くの人から愛されている理由はこれです。

歯並びを人から言われようと、酒飲みだと人から言われようと、笑い方を人から言われようと、それを補っても地球何周分も余りある天才常識人だと思います。


Cobh: コーヴ、アイルランド、コーク県(Co. Cork)の州都コークにある港地区
Cork: コーク、アイルランドの南西部にある県
City Hall: シティー・ホール、ニューヨークの市庁舎
New York: ニュー・ヨーク、アメリカ合衆国の中心都市
the Irish Rover: ジ・アイリッシュ・ローバー、船の名前
Sligo: スライゴ、アイルランド北部の県
the Lee: ザ・リー、コーク県コークを河口にもつリー川
County Tyrone: カウンティー・タイロン、アイルランド島北部アルスター地方の県
Westmeath: ウエストミース、アイルランド中央部の県
Dover: ドーバー、イングランド南東部ケント州臨海部の町
the Bann: ザ・バン、アイルランド島北部北アイルランドを北に向かって流れるバン川
poitín: プチーン、「自家製の酒」を意味するアイルランド語


On the fourth of July eighteen hundred and six
We set sail from the sweet Cobh of Cork
We were sailing away with a cargo of bricks
For the Grand City Hall in New York
‘Twas a wonderful craft, she was rigged fore and aft
And oh how the wild winds drove her
She stood several blasts, she had twenty-seven masts
And they called her the Irish Rover

We had one million bags of the best Sligo rags
We had two million barrels of stone
We had three million sides of old blind horses hides
We had four million barrels of bones
We had five million hogs and six million dogs
Seven million barrels of porter
We had eight million bails of old nanny goats tails
In the hold of the Irish Rover

There was ould Mickey Coote who played hard on his flute
When the ladies lined up for a set
He was tootled with skill for each sparkling quadrille
‘Til the dancers were fluttered and bet
With his smart witty talk he was cock of the walk
And he rowled the dames under and over
They all knew at a glance when he took up his stance
That he sailed in the Irish Rover

There was Barney McGee from the banks of the Lee
There was Hogan from County Tyrone
There was Johnny McGurk who was scared stiff of work
And a man from Westmeath called Malone
There was Slugger O’Toole who was drunk as a rule
And fighting Bill Tracy from Dover
And your man Mike McCann from the banks of the Bann
Was the skipper on the Irish Rover

For a sailor it’s always a bother in life
It’s so lonesome by night and by day
That he longs for the shore and a charming young whore
Who will melt all his troubles away
All the noise and the rout swillin’ poitín and stout
For him soon is done and over
For the love of a maid he is never afraid
That old sod from the Irish Rover

We had sailed seven years when the measles broke out
And the ship lost its way in the fog
And that whale of a crew was reduced down to two
Just myself and the captain’s old dog
Then the ship struck a rock, oh Lord what a shock
The bulkhead was turned right over
Turned nine times around and the poor old dog was drowned
And the last of the Irish Rover


千八百六年の七月四日
コークはコーブの素敵な港を
ニューヨークの市庁舎になる
積荷のレンガを載せて出港
縦に帆を張るすばらしい船の
強風を受けて進むあの勇姿
ホーンが数本、マストは二十七本
その名はアイリッシュ・ローバー

高級スライゴ製の布が百万袋と
砂利の樽が二百万個に
盲老馬の皮が三百万枚
それに骨の樽が四百万個に
豚が五百万匹、犬も六百万匹
ビール樽が七百万個分と
雌老山羊の皮が八百万枚が
船倉にあるアイリッシュ・ローバー

セットダンスで並んでいる女性に
ミッキー・クート爺さんが懸命に奏でる
熟練のフルートでカドリールは盛り上がり
フラフラになるまで踊り続ける
シャレの効いた会話でお山の大将
女の子を相手に上を下への大騒ぎの
爺さんが定位置につくと一目で分かる
乗っているのはアイリッシュ・ローバー

リー川近くのバーニー・マギーに
タイロン県から来たのはホーガンで
大の労働恐怖症のジョニー・マガークや
ウェストミース出身のマローンと
酒が日課のスラガー・オトゥールに
喧嘩っぱやいドーバーのビル・トレーシーと
バン川から来た我がマイク・マキャンが
スキッパーのアイリッシュ・ローバー

船乗りの日常なんて厄介そのもの
昼夜を問わずひとりぼっちだから
陸が恋しくなってかわいい女の子に
病んでる心を溶かしてほしい
酒やビールをしこたま飲んで
わめいて騒いでもすぐにおしまい
女の子に恋するなんて何てことはない
そんなジジイのアイリッシュ・ローバー

出港して七年が経ちはしかが流行り
霧の中に船も迷子になってしまう
あれだけいた船員も今や二人に
あとの一人は船長の老いぼれ犬
岩にドッカーンとものすごい衝撃
船体も寝返りを打つこと九回目に
かわいそうにあの犬も溺れて
万事休すのアイリッシュ・ローバー


◆ ザ・ダブリナーズ(ロニー・ドリュー)とザ・ポーグス(シェーン・マガウワン)とクリスティー・ムーア


Comments

“Irish Rover, The
ジ・アイリッシュ・ローバー” への2件のフィードバック

  1. 加藤三栄子のアバター
    加藤三栄子

    はじめまして
    私はスコティッシュを夫に持った事で
    スコティッシュダンスに興味を持ち
    踊り続けているポーグスファンの者です。
    この映像は初めて拝見いたしました。
    ボーカルがどちらもいい味出してますね!
    アイリッシュローバー、踊りたくなりました!

    1. ボーグスファンの方からコメントを頂けるなんて、うれしい限りです。
      おっしゃる通り、ダブリナーズのドニー・ドリューもポーグスのシェーン・マガウワンもなかなか味があり、聴いていて飽きません。

      コメントありがとうございました。

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