TITLE: Flight Of Earls(フライト・オブ・アールズ)
AUTHOR: Liam Reilly(リアム・ライリー)
PERFORMER: The Dublin City Ramblers(ザ・ダブリン・シティー・ランブラーズ)
アイルランドでは、16世紀末に「アイルランド九年戦争」が勃発し、17世紀初頭結果的に敗者となった伯爵たちが逃げるように自国を追われ、ヨーロッパ大陸に渡るという出来事が起きました。
この出来事をタイトルにしたのが、このフライト・オブ・アールズという曲で、アイルランドのバガテル(Bagatelle)というバンドメンバーのリアム・ライリー(Liam Reilly: 1955-2021)に手による作品です。
Dublin: ダブリン、アイルランドの首都
Flight of Earls: フライト・オブ・アールズ、17世紀初頭に二人の伯爵(ヒュー・オニールとローリー・オドネル)が約百人の支持者とともにアイルランドを追われヨーロッパ大陸に渡った出来事
McAlpine’s Fusiliers: マカルパインズ・フューザリエズ、サー・ロバート・マカルパイン(Sir Robert McAlpine)を雇用主とする団体で、アイルランドからの労働者を雇ってイングランドの建設作業をさせていた
London: ロンドン、イギリスの首都でイングランドの中心都市
Boston: ボストン、アメリカ合衆国マサチューセッツ州州都
Irish: アイリッシュ、「アイルランドの」という意味
Ellis Island: エリス・アイランド、アメリカ合衆国ニューヨーク州とニュージャージー州にまたがる人工島、アイルランドをはじめとする移民はこの島の移民局を経由した
the Lady in the bay: ザ・レイディー・イン・ザ・ベイ、自由の女神
Manhattan: マンハッタン、ニューヨーク州ニューヨーク市の中心地
Bono and U2: ボノ・アンド・ユーツー、アイルランド出身のボノを中心とするバンドU2(ユーツー)
the Guinness: ザ・ギネス、ギネスビール
Dublin Airport: ダブリン・エアポート、アイルランドの首都ダブリンにあるダブリン空港
North Wall: ノース・ウォール、アイルランドの首都ダブリンを流れるリフィー川沿い北側の地域
Queensland: クイーンズランド、オーストラリア北東部の州
New South Wales: ニュー・サウス・ウェールズ、オーストラリア東部の州で州都はシドニー
I can hear the bells of Dublin in this lonely waiting room
And the paperboys are singin’ in the rain
Not too long before they take us to the airport and the noise
To get on board a transatlantic plane
We’ve got nothin’ left to stay for, we had no more left to say
And there isn’t any work for us to do
So farewell you boys and girls, another bloody Flight of Earls
Our best asset is our best export too
It’s not murder, fear or famine that makes us leave this time
We’re not going to join McAlpine’s Fusiliers
We’ve got brains, and we’ve got visions, we’ve got education too
But we just can’t throw away these precious years
So we walk the streets of London, and the streets of Baltimore
And we meet at night in several Boston bars
We’re the leaders of the future but we’re far away from home
And we dream of you beneath the Irish stars
As we look on Ellis Island, and the Lady in the bay
And Manhattan turns to face another Sunday
We just wonder what you’re doing to bring us all back home
As we look forward to another Monday
Because it’s not the work that scares us we don’t mind an honest job
And we know things will get better once again
So a thousand times adieu, we’ve got Bono and U2
All we’re missin’ is the Guinness, and the rain
So switch off your new computers ‘cause the writing’s on the wall
We’re leaving as our fathers did before
Take a look at Dublin airport, or the boat that leaves North Wall
There’ll be no youth unemployment any more
Because we’re over here in Queensland and in parts of New South Wales
We’re on the seas and airways and the trains
But if we see better days, those big airplanes go both ways
And we’ll all be comin’ back to you again
一人の待合室で雨音交じりに聞こえてくる
ダブリンの鐘の音と新聞売りの少年の歌
しばらくしたら音もうるさい空港に着いて
大西洋を横断する飛行機に乗る
ここに残る理由も言いたいことももうないし
ここでできる仕事なんて何もない
さらばみんな、また忌まわしき伯爵の旅立ちだ
一番役に立つ最高の輸出品になってくる
今回国を出るきっかけは殺人でも飢饉でもない
マカルパイン組に入るつもりもない
頭脳も計画もあるし教育も受けているけど
大切な時代を捨てきれないでいるだけだ
ロンドンやボルチモアの街並みを歩いては
ボストンのバーで夜な夜な集まっている
こんな未来のリーダーは遥か遠いところから
アイルランドの星の下にいるみんなを想っている
エリス島や湾に立つ女神を眺めては
マンハッタンにまた日曜日がやってくる
故郷に帰れるように何をしてくれるのか思いつつ
また前向きな月曜日がやってくる
怖いのは仕事じゃないし、素直な仕事も嫌じゃない
またいい方向に向かっているのも分かっている
ボノもU2も、何千回のさようなら
ギネスと雨だけがただただ懐かしい
コンピューターのスイッチ切って壁に書いてある文字を見て
先祖と同じようにこれから旅立っていく
ダブリン空港やノース・ウォールを出る船が見ると
若者の失業者はもういなくなるだろう
クイーンズランドやニュー・サウス・ウェールズに来たのは
海を渡って空を越えて鉄路を走って
もっといい時代が来たら往復でかい飛行機で
みんなのところにみんなで帰っていく日が見える
◆ ザ・ダブリン・シティー・ランブラーズ (パッツィー・ワッチホーン)
◆ ザ・ウルフ・トーンズ (トミー・バーン)
◆ パディー・ライリー
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