TITLE: McAlpine’s Fusiliers(マカルパインズ・フューザリアズ)
AUTHOR: Dominic Behan(ドミニク・ビーアン)
PERFORMER: The Dubliners(ザ・ダブリナーズ)
アイルランドの最高の輸出品といえば、「アイルランド人」とよく言われます。そのアイルランド人は自ら、かどうかは分かりませんが、「輸出」してイギリスに降り立ちます。
イギリスでの職は主に土方で、各地の建設現場に赴いて労働をします。これを取り仕切っていたのが、イングランドの建設会社です。当然、建設現場作業員請負業も兼ねています。
「輸入」されたアイルランド人が作ったのが、例えば、道路、線路、ビル、橋、ダム、などです。そんなアイルランド人が拠点としたのが、この曲中にでてくるロンドン郊外のクリックルウッドという小さな町だったそうです。
Hitler: ヒトラー、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler: 1889-1945)、ナツィ党党首からドイツの総統になる
Poland: ポーランド
Paddy: パディー、アイルランド人男性を指すことば
Holyhead: ホリーヘッド、ウェールズにあるアイルランド海に面した港町
McAlpine: マカルパイン、イングランドの建設会社
Wimpey: ウィンピー、イングランドの建設会社
John Laing: ジョン・ラング、イングランドの建設会社
Cricklewood: クリックルウッド、ロンドン郊外の地域
the Crown: ザ・クラウン、Crown Inn(クラウン・イン)つまり、クラウン宿泊所(ホテル)のこと、かもしれない
County Kerry: カウンティー・ケリー、アイルランドのケリー県
the Darky Finn: ザ・ダーキー、フィン、人の名前
the Isle of Grain: ジ・アイル・オブ・グレイン、イングランド南東部にある村
the Horseface Toole: ザ・ホースフェイス・トゥール、人の名前
the Bear O’Shea: ザ・ベア・オシェア、人の名前
Russian: ラッシャン、ロシア人
Czech: チェック、チェコスロバキア人、現在のチェコ人
Pole: ポウル、ポーランド人
the Thames: ザ・テムズ、ロンドンを東西に流れるテムズ川
Christ: クライスト、イエス・キリストのこと
’Twas in the year of thirty-nine
When the sky was full of lead
When Hitler was heading for Poland
And Paddy for Holyhead
Come all you pincher laddies
And you long-distance men
Don’t ever work for McAlpine
For Wimpey, or John Laing
You’ll stand behind a mixer
And your skin is turned to tan
And they’ll say, good on you, Paddy
With your boat-fare in your hand
The craic was good in Cricklewood
And they wouldn’t leave the Crown
With glasses flying and biddy’s crying
’Cause Paddy was going to town
Oh mother dear, I’m over here
And I’m never coming back
What keeps me here is the reek of beer
The ladies and the craic
I come from county Kerry
The land of eggs and bacon
And if you think I’ll eat your fish’n’chips
Oh dear then you’re mistaken
As down the glen came McAlpine’s men
With their shovels slung behind them
’Twas in the pub they drank the sup
And out in the spike you’ll find them
They sweated blood and they washed down mud
With pints and quarts of beer
And now we’re on the road again
With McAlpine’s Fusiliers
I stripped to the skin with the Darky Finn
Way down upon the Isle of Grain
With the Horseface Toole I knew the rule
No money if you stopped for rain
McAlpine’s god is a well-filled hod
Your shoulders cut to bits and seared
And woe to he went to look for tea
With McAlpine’s Fusiliers
I remember the day that the Bear O’Shea
Fell into a concrete stairs
What the Horseface said when he saw him dead
It wasn’t what the rich call prayers
I’m a navvy short was the one retort
That reached unto my ears
When the going is rough, well, you must be tough
With McAlpine’s Fusiliers
I’ve worked till the sweat has had me bet
With Russian, Czech, and Pole
On shuttering jams up in the hydro dams
Or underneath the Thames in a hole
I’ve grafted hard and I’ve got me cards
And many a ganger’s fist across me ears
If you pride your life don’t join by Christ
With McAlpine’s Fusiliers
それは39年のことだった
空は鉛が覆いつくし
ヒトラーはポーランドに
そしてパディーはホリーヘッドへ向かう
ギリギリでやっている少年よ
遠くからくる男たちよ集まってくれ
マカルパインやウィンピーや
ジョン・ラングでは絶対に働くな
ミキサー車の裏に立っては
肌も真っ黒になっていく
よく頑張ったなあって言われて
手に船賃を握りしめて
クリックルウッドで騒ぐのは楽しいし
クラウンを離れる気が失せる
グラスが宙を舞いカミさんが泣き叫ぶ
うちのが街に行っちゃうからって
かあちゃん、今こっちにいるよ
もう二度と戻れないかも
ビールのにおいや女の子がいて
楽しいしこを離れられない
どこから来たかというと
ベーコンエッグのケリー県
フィッシュアンドチップス食べてると思ったら
それは残念、大間違い
谷を越えてマカルパインの男たちが
ショベルを背負ってやってくる
ビールを飲むのはパブに入って
寝る場所といえば例の宿
流した血の汗と体の泥は
ジョッキのビールで洗い流す
さあまたこれから移動するのは
マカルパイン組の労働部隊
真っ裸になって真っ黒フィンと
アイル・オブ・グレインまで行く
馬面トゥールが知ってるルールは
雨で中止は金にならないっていうこと
マカルパインの神は満タンのレンガ運びで
両肩は切り傷でヒリヒリ焼ける
痛みの極みでお茶の時間は
マカルパイン組の労働部隊
熊男オシェアがコンクリートの階段に
落ちた日のことを覚えている
あの馬面がその現場を見て
こりゃとても南無阿弥陀仏じゃねぇな
チビの土方っていうことばが
返ってきたのが耳に届く
厳しいときこそ強くならねば
マカルパイン組の労働部隊
ロシア人とチェコ人とポーランド人と
汗が尽きるほど働いた
高い水力ダムの木枠の中や
テムズ川に穴掘って中に入って
一生懸命働いてカードもらったら
親方のこぶしが耳に飛んでくる
胸張って生きる奴は絶対入っちゃいけない
マカルパイン組に労働部隊
◆ ロニー・ドリュー・フォーク・グループ
◆ ザ・ダブリナーズ(ロニー・ドリュー)
◆ ペッカー・ドゥン
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