Favorite songs of mine from Ireland, Scotland, … and Japan

気がついたらアイルランドとスコットランドの曲にはまっていた日本人が気が向いたときに歌詞と訳を載せています

Old Main Drag, The
ジ・オールド・メーン・ドラッグ

TITLE: The Old Main Drag(ジ・オールド・メーン・ドラッグ)
AUTHOR: Shane MacGowan(シェーン・マガウワン)
PERFORMER: The Pogues(ザ・ポーグス)


タイトルにも使われているdragという語は「引っ張る」→「荷車」→「車」→「道」→「通り」と変化していったのかどうかは明らかではありませんが、main dragというと「大通り」とか「中心街」などという意味で使われているようです。

また、この曲はリバー・フェニックス(River Phoenix: 1970-1993)も主演を務めた映画『マイ・プライベート・アイダホ(My Private Idaho)』のエンディングに使われています。

シェーン・マガウワン(Shane MacGowan: 1957-2023)が扱う街は決して「きれい」なものではないのでしょうが、どちらが現実かといえば、それはそこに「いる」人にしかわかりません。ましてや異国の地倫敦のことなど知る由もありません。


London: ロンドン、イギリスの首都
the Dilly: ザ・ディリー、ロンドンのウェスト・エンドに位置するピカデリー・サーカス(Picadilly Circus「ピカデリー円形広場」)、繁華街として知られている
Leicester Square: レスター・スクウェア、ロンドンのウェスト・エンドにある歩行者専用の地域
Vine Street: バイン・ストリート、ピカディリー近くにある行き止まりになっている通り


When I first came to London I was only sixteen
With a fiver in my pocket and my old dancing bag
I went down to the Dilly to check out the scene
But I soon ended up on the old main drag

There the he-males and the she-males paraded in style
And the old man with the money would flash you a smile
In the dark of an alley you’d work for a five
For a swift one off the wrist down on the old main drag

In the cold winter nights the old town it was chill
But there were boys in the cafés who’d give you cheap pills
If you didn’t have the money you’d cajole or you’d beg
There was always lots of tuinol on the old main drag

One evening as I was lying down in Leicester Square
I was picked up by the coppers and kicked in the balls
Between the metal doors at Vine Street I was beaten and mauled
And they ruined my good looks for the old main drag

In the tube station the old ones who were on the way out
Would dribble and vomit and grovel and shout
And the coppers would come along and push them about
And I wished I could escape from the old main drag

And now I am lying here I’ve had too much booze
I’ve been spat on and shat on and raped and abused
I know that I am dying and I wish I could beg
For some money to take me from the old main drag


はじめてロンドンに来たのはまだ16歳
ポケットに5ポンド入れてボストンバッグもって
ピカデリーがどんなところか見に行ったまま
そのまま居ついた古びた大通り

派手な衣装でパレードをするオカマやオナベ
ジジイが札をちらつかせてニヤッと微笑むから
裏路地に行って5ポンド欲しさにやってやる
手っ取り早くイケる古びた大通り

冬の夜はこの街の寒さも身にしみるけど
カフェには安いクスリを売る奴がいるから
金をもってなきゃ拝んですがりつく
ツイナールだらけの古びた大通り

ある夜レスター広場で横になってたら
お巡りに首根っこつかまれてタマ蹴られて
バイン通りの鉄の扉に挟まれボコボコにされて
つぶれた俺の男前には不釣合いな古い大通り

地下鉄の駅の出入口には年寄りがいて
よだれたらして吐いて這ってわめきちらして
お巡りがやってきてそいつら押し出されて
逃げだしたいと思った古びた大通り

これまで飲みすぎてまだここにいる俺は
唾を吐かれて回されてののしられて
このまま死ぬのかと思うと右や左の旦那様に
金をもらって抜け出したい古びた大通り


◆ ザ・ポーグス(シェーン・マガウワン)


Comments

“Old Main Drag, The
ジ・オールド・メーン・ドラッグ” への2件のフィードバック

  1. 現地に行ったことがあるわけではないのでうかつなことは言えませんが、やはりどこの国でもこういう荒んだひどい社会というのは存在してるんでしょうね。ロンドンというと海の彼方の華やかな大都市というイメージですが実際にそこで生きる人々とその生活は、豊かで幸福なものから貧しい苦しいものまで本当に多様なんだろうと思います。

    1. まさにおっしゃる通りだと思います。生物多様性の中には人間多様性が含まれているのだろうな、と感じています。
      コメントありがとうございました。

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