TITLE: Cardboard Cowboys(カードボード・カウボーイズ)
AUTHOR: Bob Ruzicka(ボブ・ルージスカ)
PERFORMER: Bob Ruzicka(ボブ・ルージスカ)
子供らしくない子供だったので「○○ごっこ」が大の苦手でした。いや、大嫌いでした。仕方なく「遊んであげる」のですが、大人になって思えば、あの頃は社会性を身につける場を皆様から提供していただけていたのだ、と納得しました。
ところが、自転車に乗っては、勝手に店の前や交差点に「バス停」を設置し、頭の中の時刻表通りにどこかに行く、ということをやっていたのは、まさしく一人「ごっこ」です。
こんな人間が大人になったときの夢は「会社ごっこ」です。ある時は社長を、またある時は新入社員を、そしてまたある時は秘書を、それから経理を、しかしいつでも営業を、飽きてきたら「家事ごっこ」です。
the Little Bighorn: ザ・リトル・ビッグホーン、19世紀後半にアメリカ合衆国と原住民インディアンの間で戦闘が行われた、モンタナ州にあるリトル・ビッグホーン川
Custer: カスター、ジョージ・アームストロング・カスター(George Armstrong Custer: 1839-1876)、アメリカ合衆国陸軍中佐で、リトル・ビッグホーン川の戦いで戦死
the O.K. Corral: オウケイ・コラール、アリゾナ州トゥームストンで行われた銃撃戦で、「オッケー牧場の決闘」と言われている
Carson: カースン、キット・カーソン(Kit Carson: 1809-1868)、アメリカ合衆国の著名な開拓者の一人
Geronimo: ジェロウニモー、アメリカインディアンアパッチ族の戦士ジェロニモ(Geronimo: 1829-1909)
Davy Crockett: デイビー・クロケット、アラモの戦いで敗れたアメリカ合衆国の政治家、軍人デビッド・クロケット(David Crockett: 1786-1836)
the Alamo: ジ・アラモ、メキシコとテキサスの間で19世紀前半に行われたアラモの戦い
Wild Bill: ワイルド・ビル、アメリカ合衆国で19世紀後半に活躍したジェームズ・バトラー・ヒコック(James Butler Hickok: 1837-1876)の愛称
Sherman’s cavalry: ジャーマンズ・カヴァリー、南北戦争中北軍に従事していたウィリアム・テクムセ・シャーマン(William Tecumseh Sherman: 1820-1891)の騎兵隊
Comanches: コマンチーズ、アメリカンインディアンのコマンチ族
Sioux: スー、アメリカンインディアンのスー族
Jesse James: ジェシ・ジェイムズ、19世紀のアメリカ西部開拓時代の伝説的アウトローとして描かれるジェシ・ウッドソン・ジェームズ(Jesse Woodson James: 1847-1882)
the Seven Seas: ザ・セブン・シーズ、北極海、北大西洋、南大西洋、インド洋、北太平洋、南太平洋、南氷洋の七つの海
When I was just a young boy
My best friends used to be
Some cut-out paper cowboys
That my mother made for me
Pasted on the ceiling
And walls around my bed
And every night the west was won
Again inside my head
With those cardboard cowboys
Ridin’ through my mind
They were heading for the hills and hidin’ out
Ridin’ out just in the nick of time
We were at the Little Bighorn
The day that Custer fell
And we even caught the late night show
Down at the Alright O.K. Corral
Well, shot buffalo with Carson
Smoked a pipe with Geronimo
Fought alongside Davy Crockett
At the Alamo
We rode west with the wagon train
And rode east with Wild Bill
Charged with Sherman’s cavalry
And found gold in them thar hills
One day we wore the gray coats
The next day we wore blue
One day we were Comanches
And the next day we were Sioux
We were those cardboard cowboys
Ridin’ through my mind
They were heading for the hills and hidin’ out
Ridin’ out just in the nick of time
We rode shotgun on the stagecoach
And rustled cattle on the range
And then we would grow tired of it
And be pirates for a change
So Jesse James would set off sailin’
Across the Seven Seas
For dreamin’s only dreamin’
And you dream just what you please
But now I’m growin’ older
And I find I’m slowin’ down
No longer wear my spurs to bed
I don’t take my guns to town
My nights no longer restless
No adventures left at all
Just cracks up on the ceiling
Faded tape marks on the wall
But late at night sometimes I swear
That I can almost hear
The distant sounds of hoof beats
And they’re pounding’ in my ear
It’s those cardboard cowboys
Ridin’ through my mind
They were heading for the hills and hidin’ out
Ridin’ out just in the nick of time
まだ小さかったあの頃
一番仲がよかったのは
母さんが作ってくれた
段ボールのカウボーイだった
部屋の天井やベッドの壁に
ペタペタと貼りまくって
夜ごと頭の中で戦わせては
毎回西が勝っていた
段ボールカウボーイが
頭の中で駆け巡っている
山を駆け上り身を隠しては
ギリギリのところで身をかわす
リトル・ビッグホーンの戦いは
カスター中佐が倒された
夜中にテレビでやっていた
オッケー牧場の決闘は見ていた
カーソンと共にバイソンを撃ち
ジェロニモと共にパイプを燻らせ
アラモの砦の戦闘では
デイビー・クロケット側で戦った
幌馬車に乗っては西へ向かい
ワイルド・ビルと共に東へ向かう
シャーマン騎馬兵の任につき
山の中では金を採掘した
灰色の衣服に身をまとう日もあれば
全身青い日もある
コマンチ族をやる日もあれば
スー族になる日もあった
われらが段ボールカウボーイが
頭の中で駆け巡っている
山を駆け上り身を隠しては
ギリギリのところで身をかわす
幌馬車に銃を積み込み
その辺の牛をかき集めた
いろいろ飽きてきたら
気分を変えて海賊もやる
ジェシ・ジェームズになって
七つの海をまたにかける
夢はしょせん夢だけど
好きなだけ見てもいい
最近は年を取ってきて
動きも遅くなってきた
踵に拍車じゃベッドまで行けず
腰にピストルじゃ町にも行けない
心が躍る夜もなくなって
冒険なんてまったくない
天井を見ればひび割れで
壁のテープのあとも消えていく
でも真夜中に確信する
あれは間違いなく
遠くから聞こえてくる蹄の音
耳の中で鳴り響いている
段ボールカウボーイだ
頭の中で駆け巡っている
山を駆け上り身を隠しては
ギリギリのところで身をかわす
◆ ボブ・ルージスカ
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