Favorite songs of mine from Ireland, Scotland, … and Japan

気がついたらアイルランドとスコットランドの曲にはまっていた日本人が気が向いたときに歌詞と訳を載せています

Thousands Are Sailing
サウザンズ・アー・セイリング

TITLE: Thousands Are Sailing(サウザンズ・アー・セーリング)
AUTHOR: Phil Chevron(フィル・シェブロン)
PERFORMER: The Pogues(ザ・ポーグス)


自由の女神が右手にトーチを掲げて立っているアメリカ合衆国の人工島リバティー島(Liberty Island)のそばにエリス島(Ellis Island)という小さな島があります。むかし、移民が船でアメリカに入国するときにこの島が入り口になっていたそうです。

アイルランドからの移民ももちろん大西洋を船で渡ってきて、運がよければ入国できました。入国しても生きるためには働かなければなりません。もちろん、体で稼ぐ仕事ばかりでした。

典型的なのが、土方と警官、消防士です。ところが、中にはケネディー家のように大統領を輩出するようなケースもありました。

いずれにしても、棺桶船に乗って名前を英語風に変えなければならないほど遠くに来なければならなかったアイルランド人にとって、アメリカは「それなりの土地」だったに違いありません。

作者フィル・シェブロンがこの地よりかの地へ旅立ちました。2013年10月8日、合掌。


the White House: ザ・ホワイト・ハウス、アメリカ合衆国大統領官邸、ワシントンDCにある
Manhattan: マンハッタン、ニューヨーク州ニューヨーク市の地区
Broadway: ブロードウェー、上述マンハッタン地区を通る道路
The Blackbirdvザ・ブラックバード、アイルランドの伝承曲、または、ビートルズの『ホワイト・アルバム』に収録されている曲名、どちらか不明だが、口笛を吹いてダンスをするとしたら後者のほうがあっているか
Brendan Behan: ブレンダン・ビーアン、アイルランド出身の詩人、作家
Mister Cohan: ミスター・コーハン、ジョージ・マイケル・コーハン(George Michael Cohan)、アメリカ合衆国ロードアイランド出身の作曲家、アイルランド系家庭に生まれ、『ギブ・マイ・ベスト・リガーズ・トゥー・ブロードウェー(Give My Best Regards To Broadway)』などブロードウェーのミュージカルで使用される曲を多数作曲する、ブロードウェーのダフィー・スクウェア(Duffy Square)に銅像がある
Times Square: タイムズ・スクウェア、マンハッタンにあるブロードウェーにある交差点やその辺の繁華街
JFK: ジェーエフケー、ジョン・フィッツジェラルド・ケネディー(John Fitzgerald Kennedy)、アメリカ合衆国第35代大統領、1963年暗殺される、名字のケネディー(Kennedy)はアイルランド語ではÓ Ceannéidigh(オケネジ)とつづられたものの英語化されたものなので、アイルランド系移民の家の者とわかる


The island it is silent now
But the ghosts still haunt the waves
And the torch lights up a famished man
Who fortune could not save
Did you work upon the railroad
Did you rid the streets of crime
Were your dollars from the White House
Were they from the five and dime

Did the old songs taunt or cheer you
And did they still make you cry
Did you count the months and years
Or did your teardrops quickly dry
Ah, no, says he, ‘twas not to be
On a coffin ship I came here
And I never even got so far
That they could change my name

Thousands are sailing
Across the western ocean
To a land of opportunity
That some of them will never see
Fortune prevailing
Across the western ocean
Their bellies full their spirits free
They’ll break the chains of poverty

And they’ll dance

In Manhattan’s desert twilight
In the death of afternoon
We stepped hand in hand on Broadway
Like the first man on the moon
And The Blackbird broke the silence
As you whistled it so sweet
And in Brendan Behan’s footsteps
I danced up and down the street

Then we said goodnight to Broadway
Giving it our best regards
Tipped our hats to Mister Cohan
Dear old Times Square’s favorite bard
Then we raised a glass to JFK
And a dozen more besides
When I got back to my empty room
I suppose I must have cried

Thousands are sailing
Again across the ocean
Where the hand of opportunity
Draws tickets in a lottery
Postcards we’re mailing
Of skylight skies and oceans
From rooms the daylight never sees
Where lights don’t glow on Christmas trees

But we dance to the music
And we dance

Thousands are sailing
Across the western ocean
Where the hand of opportunity
Draws tickets in a lottery
Where e’er we go, we celebrate
The land that makes us refugees
From fear of priests with empty plates
From guilt and weeping effigies

But we dance to the music
And we dance


今は静かなあの島に
幽霊いまだ波間に漂う
松明に照らされ餓死した者に
救われぬ宿命がのしかかる
線路工事の労働者になるか
町から犯罪をなくす仕事をするか
ホワイトハウスの金を拝むか
はたまた安売り店の金なのか

懐かしい歌に傷つき癒され
いまだに涙を流すのか
月日を指折り数えたか
涙もすぐに枯れはてたのか
いやちがう、棺桶船にのって
来るはずなんかじゃなかった
名前も変えなきゃならぬほど
こんなに遠くに行くなんて

海を渡るは数知れず
大海原の向こう側
めざすはチャンスをつかむ土地
夢をつかめぬものもいる
チャンスが広がるその場所は
大海原の向こう側
お腹を満たし解き放たれて
貧困の鎖を断ち切ろう

そしてダンスをするんだ

マンハッタンは黄昏砂漠
西日とともに死せるとき
手に手をとってブロードウェー
月に初めて降り立つ人か
沈黙を破るブラックバードの
口笛が軽やかに風にのる
ブレンダン・ビーアンの足どりよろしく
通りをダンスで駆けめぐる

ブロードウェーにおやすみと
帽子に手をかけよろしく頼む
最敬礼のコーハン様は
タイムズ・スクウェアの吟遊詩人
乾杯のグラスの相手は
ケネディーはじめ数知れず
一人ぼっちの部屋に戻り
止めど流れるこの涙

海を渡るは数知れず
またもや海の向こう側
チャンスをつかむこの手こそ
くじであたりを引けるんだ
むこうに送るポストカードには
窓から映る空と海
陽が差し込まない部屋には
クリスマス・ツリーも灯らない

でも音楽に合わせてダンス
ダンスがある

海を渡るは数知れず
またもや海の向こう側
チャンスをつかむこの手こそ
くじであたりを引けるんだ
行く先々ではお祭り気分
国を追い出されてきたわが身
空の皿を持つ牧師を逃れ
罪や涙の像はここにはない

でも音楽に合わせてダンス
ダンスがある


◆ ザ・ポーグス(シェーン・マガウワン)


Comments

“Thousands Are Sailing
サウザンズ・アー・セイリング” への1件のコメント

  1. […] これはザ・サウザンズ・アー・セーリングやザ・ストリーツ・オブ・ニュー・ヨークでも歌われています。 […]

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