TITLE: Secret Gardens(シークレット・ガーデンズ)
AUTHOR: Judy Collins(ジュディー・コリンズ)
PERFORMER: Judy Collins(ジュディー・コリンズ)
フランシス・ホジソン・バーネット(Frances Hodgson Burnett: 1849-1924)による『秘密の花園(The Secret Garden)』が全編出版されたのが1911年、ジュディー・コリンズ(Judy Collins: 1939-)の「シークレット・ガーデンズ」が出たのが1973年です。
ジュディー・コリンズが主人公の少女メアリーになりきって作ったどうかは分かりませんが、この曲を聴いたときはバーネットの小説を全編読んだことがないくせにそんなことを思い浮かべてしまいました。
「秘密の花園」という日本語には、いろいろな言外の意味が含まれます。勝手にそう思っています。新聞に載る「秘密の花園」、歌のタイトルになる「秘密の花園」、小説の題名としての「秘密の花園」、お店の名前の「秘密の花園」、おそらく何にでもつけられるのだと思います。
ところが、このシークレット・ガーデンを「秘園」と訳すと淫靡な世界が強くなり、「密庭」だと忍者が見えてきます。それだけ人の心をつかんで離さない、何か得体の知れない力を持っているのかもしれません。
Seattle: シアトル、アメリカ合衆国北西部沿岸ワシントン州の都市
Idaho: アイダホ、アメリカ合衆国北西部の州、ワシントン州の東隣
My grandmother’s house is still there
But it isn’t the same
A plain wooden cottage
A patch of brown lawn
And a fence that hangs standing
And sighing in the Seattle rain
I drive by with strangers
And wish they could see what I see
A tangle of summer birds
Flying in sunlight
A forest of lilies
An orchard of apricot trees
Secret gardens of the heart
Where the flowers bloom forever
I see you shining through the night
In the ice and snow of winter
Great grandfather’s farm is still there
But it isn’t the same
The barn is torn down
And the fences are gone
The Idaho wind blows
The topsoil away every spring
I still see the ghosts
Of the people I knew long ago
Inside the old kitchen
They bend and sigh
My life passed them up
And the world passed them by
Secret gardens of the heart
Where the old stay young forever
I see you shining through the night
In the ice and snow of winter
But most of all
It is me that has changed
And yet I’m still the same
That’s me at the weddings
That’s me at the graves
Dressed like the people
Who once looked so grown-up and brave
I look in the mirror
Through the eyes of the child that was me
I see willows bending
The season is spring
And the silver blue sailing birds
Fly with the sun on their wings
Secret gardens of the heart
Where dreams live on forever
I see you shining through the night
In the ice and snow of winter
おばあちゃまのおうちは
すっかり変わってしまって
木張りのコテージは飾り気もなく
芝生も色もあせてしまって
塀はようやく立ってる感じで
シアトルの雨にため息をつく
はじめての人と車で来ても
映る景色が違うのが残念
夏の日差しを浴びて
鳥がもつれるように飛んでいる
百合の花咲く森の中には
アプリコットの実がなる木
心に佇む秘密の花園
永久に花が咲き誇り
夜を越えて照らしつづける
氷と雪の冬の季節を
ひいおじいちゃまの畑は
もう昔の面影はない
納屋は朽ち果てて
囲いもなくなって
アイダホに吹く春風で
畑を覆う土が空に舞う
昔から知ってる人の
亡霊がまだ眼に浮かぶ
古びた台所にいて
かがんではため息ひとつ
何もなく過ぎてった人生
そ知らぬ顔をする世の中
心に佇む秘密の花園
年を重ねても若いまま
夜を越えて照らしつづける
氷と雪の冬の季節を
でも何と言っても
すっかり変わった私だけど
やっぱりまだ同じ私
結婚式にいる私
お墓の前にいる私
大人っぽくてかっこいい
人の服を着てる私
子供の頃の目をして
鏡をのぞきこむと
柳の枝が垂れている
季節は春
青にきらめく鳥たちが
太陽を抱き空に舞う
心に佇む秘密の花園
夢はずっと生きつづけてる
夜を越えて照らしつづける
氷と雪の冬の季節を
◆ ジュディー・コリンズ
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